「眠り」が必要な理由
昔から言われている「必要な睡眠時間は8時間」とすると、私たちは人生の3分の1を眠って過ごすことになります。
ところが、厚生労働省が公表したデータによると、睡眠時間が7時間以下の人は全体の67.7%だそうで、そうだとすると日本人は全体的に睡眠不足ということになります。
心配事があったり不安なことがあるとなかなか眠れませんが、寝ようとして横になっている間は、そのことを考えても、もしかすると半分夢のなかで、現実的な対処方法ではなかったりして、かえって頭の中が混乱してしまい覚醒することもあるので、何も考えずに横になっているしかありませんね。
「眠る」ということの目的や効果は、大きくは「身体を休める」「記憶を整理する」ということらしいのですが、横になっていれば身体を動かさないのでとりあえず筋肉は休まりますが、心臓などの内臓は動いていますね。
アメリカ大リーグ、エンゼルスの大谷選手のように昼間肉体を酷使している人は筋肉を休めることは大切ですね。
大谷選手自身も、「睡眠は量が第一で、質はその次」と言っているくらいですから、とにかく横になって身体を休めることが「睡眠」の第一目的でしょう。
昼間あまり身体を動かさないと、その意味ではあまり「睡眠」は求められないかも知れませんね。
次に「記憶を整理する」という役割ですが、脳での記憶の整理にかかる時間は、1回に45分くらいらしいので、1回であれば45分、2回であれば90分で記憶は次第に整理されていくことになり、脳がスッキリとするためには最低でも8回、360分=6時間くらいは必要なのかも知れませんね。
それなので、寝床で横になったら脳の記憶の整理の邪魔をしないように、なるべく何も考えないで、頭を使わないで、ボーッとしていることができれば、眠っているのと同じ効果が得られるかも知れません。
眠くなくても、とりあえず寝床に入って横になるだけでも、起きていて頭や身体を使うよりは、明日のためには効果があるということですね。
眠ろうとする努力
眠ろうと努力するほど眠れなくなる、ということがあります。
これは心理学で「努力逆転の法則」といい、頑張れば頑張るほど、その努力とは反対の状況になる、という現象です。
「眠ろうと努力するほど眠れなくなる」状態というのは、自分には「眠れないというイメージ」があって、努力するほどそのイメージが強くなって、現実化されてしまうから、だそうです。
逆に眠ろうとしないで、徹夜でもしてやろう、くらいの気持ちで起きていようとするといつの間にか眠ってしまう、ということもあるかも知れません。
また、もしかしたらすでに眠っていて、眠れない夢を見ていることもあるかも知れません。
人間は11時と2時に眠くなるらしいので、昼間はもちろんその時間は仕事や勉強があるので眠気との戦いになりますが、夜の11時は最初の眠れるチャンスで、次は2時にまでになれば眠れるかも知れません。
睡眠がとれる方法は、さまざまなメディアでいろいろ紹介されていますので、そのなかから真似ができそうで、長く続けられるものをいくつかみつけたらいいでしょう。
睡眠不足の解消法
現代生活はシフトワークや長時間通勤、受験勉強、インターネットやゲームなどのスマホの操作をしての夜型生活など、睡眠不足や睡眠障害の危険でいっぱいです。
睡眠問題は万病のもとです。
眠る前のルーティンも人それぞれのようで、床に入ったらすぐに眠りにつける人もいれば、「本を読む」「音楽を聴く」「テレビを見る」「今日一日のいいことや楽しかったことだけ思い出す」「ひざやお腹が暖かくなるように集中する」「昼間運動をして疲れる」などを実践されている方もいます。
ほかには、「朝起きたら日光を浴びる、とか規則正しい生活をする」、「寝る前に適度な温度のお風呂に入る」なども睡眠効果があると紹介されています。
また、たまねぎや青ねぎなどのねぎ類は、安眠効果が非常に高い野菜と言われ、包丁で切るときに目が痛くなる成分「硫化アリル」には、イライラを解消し、身体を温めながら穏やかな眠りへと導いたり、身体の疲労回復を促す効果があるそうです。
たまねぎなどで安眠効果を得るには夕食時に、加熱調理をせずに「生食」で食べるのが一番ですが、アロマテラピーの要領で枕元にねぎを置いて寝床に入り、硫化アリルの成分を含んだ香りを鼻から吸収するだけでも、同様の効果を得ることがあると言われています。
スマホを操作したり、直前にコーヒーやお酒を飲んだりするのはよくない、と言われていますが、それがルーティンで、障害にならない程度の適度で、気持ちの整理がついて眠れるならば、無理に変えるというのもかえってストレスになります。
また、さまざまな睡眠サプリもあります。
睡眠は、翌日の昼間に活動するためには大切なバックアップなので、自分に合った方法で適度な量(睡眠所間)と質を確保したいですね。
そのための基本は、穏やかな生活をして、穏やかな気持ちで寝床に入る、ということでしょうか。
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