音楽は心の栄養
食べ物や飲み物が口から入って身体の栄養になるのと同じように、音楽も耳から入って心の栄養になります。
料理された旬の食材の味と匂い、食感とのど越し、器や盛り付けなどを楽しみ、すべてを身体に取り込むことで、身体に栄養が与えられるだけでなく、満足感と「喜び」を得ることができます。
音楽には味と匂いはありませんが「音」があります。
音楽も五感を研ぎ澄ませて「音」を楽しみます。
リズム、メロディー、ハーモニーの3大要素に加えて、音の強弱、声や楽器の音色、序破急などの形式、楽器の構成などで歌手や演奏者が全体で創り出す「音楽」をコンサートホールなどで楽しみます。
食べ物や飲み物は口から入って身体に、音楽は耳から入って心に安らぎや心地よさを通じて「喜び」を与えます。
空腹時や気持ちが落ち込んでいる時であれば、その効果はいっそう大きくなります。
つまり人が食べ物や音楽を取り込む目的は同じです。
そして、元気が出ます、気分転換ができます。
食べる時、音楽を聴く時は、一緒にいる人や場所とともにその瞬間に没頭し、その世界にトランスすることができれば、「喜び」もひとしおでしょう。
昔、音楽は学問だった
音楽に限らず、美術、文学などの芸術は人に「喜び」を与えるという共通性があります。
音楽は、日本語では「学」ではなく「楽」として、まさに歌う人も演奏する人も聴く人も音を楽しむことですが、英語ではMUSICといい、語尾に「C」がつくことから学問的とか科学的という意味があり、古代ギリシャでは、音楽は数学や物理学と並ぶ学問だったそうです。
「音階」は、ピタゴラスが数学をもとに発見した、といわれ、人間に「喜び」を与える芸術を、数学によって「モデル化」しようとした、とのことです。
人、料理、音楽との出会い
美味しい料理は、味わった後に喉の先の内臓を通じて全身に栄養が届けられるように、いい音楽も耳もとで楽しんだ後にその先の心を通じてエキスが全身に染み渡るように楽しみたいものです。
人とのめぐり逢いと同じように、おいしい料理や感動する音楽との出会いがあれば、人生はより豊かになることでしょう。
料理も音楽も、心にゆとりをもって、一緒にいたい人とお気に入りの場所で楽しむことができたら素敵ですね。
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