「悩むこと」と「考えること」はまったく違う
世の中には、似ているけれどまったく違う状況を表す言葉があります。
その代表的なものが「悩むこと」と「考えること」です。
大変困った状況に陥ったときに、なんとかしてその状況から抜け出したいと望みます。
その時に、「困ったな」とか「どうしよう」「苦しい」とばかり思っているのは「悩むこと」です。
悩んでいるだけなら抜け出せない
困っている状況を「心で感じている状態」が「悩むこと」です。
「心で感じていて」「悩んでいる」だけならば、困っている状況からは抜け出すことはできません。
本当にその状況から抜け出したいのであれば「頭を使って考えること」です。
困っている状況の打開策を考えて実行し、望む結果に結びつけることで困っている状況を変えることができます。
とにかく、いまの状況を「考える」
打開策を考えるわけですから、できるだけ効率的に、実現可能でなければなりません。
考える手順としては、まず「置かれている状況」を「具体的に分析する」ことです。
「なぜ困っているのか」、「どう困っているのか」、「なぜそうなったのか」、「原因となったものは何なのか」などを客観的に考えることが大切です。
なぜならば、それらに対して対策を講じるわけですから、原因となっていないものや、勘違いの状況分析をしてしまっては考える時間と労力が無駄になってしまうからです。
「打開策」を考える
次に、いまの置かれている状況がどうなればいいかを考えます。
望む状況、つまり打開策の目標です。
それをめざして打開策を考えます。
「方法」を考える
次に、どうすればその望む状況に変えることができるか、という方法を考えます。
方法はひとつとは限りません。
ひとつの方法で、事態が劇的に変わるというのはむしろ珍しいことかも知れません。
多くの場合、いくつもの方法が実行されてようやく事態が改善されるものです。
比較的簡単にできる方法や実現の難易度が高い方法などが考えられるかも知れません。
「何が必要か」を考える
次に、考えた方法を実現するために何が、どのくらい必要かを考えます。
そしてそれが、いま手許にあるのか、ない場合にはどうやったら手に入るかを考えます。
多くの場合、打開策に必要なものは、「時間」「マンパワー(人手)」「人間関係」「お金」など、そして一番大切なものが「知恵や能力」です。
打開策を実行するのに、充分なそれらがあるか、または手に入れることができるかを考えます。
「手順」を考える
次に手順を考えます。
この手順が大切なのです。
一つ一つの解決策が無駄にならないような手順です。
効果に効果を重ねるというような手順が望ましいのですが、打開策を実行したものの望む結果が得られなかったという事例でよくあるのは、打開策を考えたまではよかったのですが、それを実行する手順を間違えて望む結果を得ることができなかった、というケースです。
なんども打開策を実行して、少しずつ事態を改善し、ダメだったらその原因を考え、また新しい打開策を考える、そんなことの繰り返しになります。
心を使わずに頭を使う
「悩んでいる」のは心を傷つけているだけで、そのままでは状況は改善されません。
状況を望む方向に変えるには「頭で考えること」です。
困っている時ほど「心」を使わないで、「頭」を使いましょう。
困った状況になり、どうすることもできない時に、「悩んでいること」と「考えること」とは全然違います。
「どうしよう」と感じているだけではなく「どうするか」を考えることです。
「頭を使って」少しでも、少しずつでも今よりも望む方向に状況を変えて行けるように「考える」ようにしましょう。
自分で考えつかない場合には、相談できる人の知恵を借りるのもいいかも知れません。
相談して、提案していただいた中から自分が納得できる方法を選択すればいいのです。
もしかすると、実際に困っている状況でない人のほうがいいアイデアが浮かぶかもしれません。
困った状況になると動揺してしまい、心が感じた動揺のまま「思考停止状態」から抜け出すことが難しいケースがあります。
「もうだめだ」と思わないで、なにかいい策はないか、と考えるように切り替えましょう。
考え続ければ必ず、いまの困っている状況から望む方向に変わっていきます。
そのために考えるのですから。
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