今回は、アメリカの子育てカウンセラーとして著名なドロシー博士の『子どもが育つ魔法の言葉』のなかの詩『子は親の鏡』を紹介します。
『子どもが育つ魔法の言葉』は1999年に邦訳が発刊されて大きな反響を巻き起こし、『子は親の鏡』は2005年2月に天皇陛下が誕生日の記者会見で朗読されたことで広く知られるようになりました。
自分が親になったときに、子どもにはどのように成長して、どのような人になって欲しいと育てていったらいいのか、その逆に現在の自分の性格や生き方は、親からどう育てられてきたかに影響されているかどうか、を考える手掛かりになればいいですね。
ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、改めて紹介させていただきます。
『子は親の鏡』
けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
褒めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる
この詩が発表されてから時代は大きく変わり、とくに近年SNSの発達、浸透で子供たちを取り巻く環境でさえも意識変革と行動変容が起きています。
さらに、ここ数年のあいだのコロナ騒動は、技術や道具の変化以上にライフスタイルそのものを急激に変えざるを得ない状況を経てきたので、子どもたちへの影響の実情は不透明となっていることでしょう。
いまの子どもたちは「KY(空気が読めない)」と言われることをいやがるために、大人以上に同調圧力が生まれて、自分は周りからどう思われているのかを気にしています。
このような時代背景の変化に対応した子育ての方法や技術も考慮する必要があるでしょう。
「子は親の鏡」といわれるように、子どもにとっては、知っている大人は親しかいないわけですから、親の振る舞いは子供の成長に大きな影響を与えることは無理のないことです。
親が日常的にしていること、親に日常的にされてきたことは、子どもが大人になったときに、それが大人の振る舞いだ、と学習されて真似をすることは自然なことです。
とくに同性の親の影響は大きく、男の子は父親の、女の子は母親の家族への振る舞いを真似する場合が多いでしょう。
親を反面教師として、親の生き方を嫌い、違った考え方で成長する場合もありますが、それもある意味、親の影響といえるでしょう、
結論ではありませんが、子どもが親の願ったように育ち、成長したという話しはあまり聞いたことがなく、親の思い通りに子どもをしつけるというのは難しいことは分かっているので、無責任なようですが、ある時期からは子どもの自主性を信じて、その成長を見守る、というのが子どものためになる精一杯の愛情なのかな、とも思います。
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