第47話 『子は親の鏡』の解説

考え方が変われば生き方も変わります
悩むことで心を傷つけるより、頭を使って考え、違う生き方を試してみませんか

今回は、前回紹介した『子は親の鏡』の解説です。

『子は親の鏡』

「けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる」

子どもは子どもなりに一生懸命やっていたり、試していたり、褒めてもらいたくて少し無理をすることもあります。

子どもがなぜ、それをやったのか、うまくいかなかった場合にはなぜなのかを親が察知し、必要な助言を与えていけたらいいですね。

もちろん、うまくいった場合には褒めてあげることを忘れてはいけませんし、悪いことをした場合には注意をすることも必要です。

「とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる」

子どもは、敵意や憎しみのなかで育つと、精神が不安定になり、不安から逃れるために、自分が強くなって不安から逃れようと乱暴になる子や、逆に不安から逃れるために自分の殻に閉じこもってしまう子もいます。親は子供の前で感情的になってはいけないのです。

「不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる」

子どもの成長過程では、初めて経験することばかりです。どうしたらいいのか不安のなかで、頼りになるのは親です。その親の精神状態が不安定では、子どもがどうしていいのか分からないのに力になれません。子どもの前では強い親でいたいものです。

「「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる」

子どもは、親の気を引きたくて甘えたり、駄々をこねたりします。その時にかわいそうだ、と突き放しては愛されていないと感じてしまいます。誰でも子どものころは一人で生きてはいけなかったはずです。いつも見守っているという態度で接したいですね。

「子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる」

大人になれば、馬鹿にされると反発心から努力に切り替えることもありますが、子どもにはまだそんな技術はありません。親は激励のつもりでも子どもは対応できないので、できないで不安になっている子どもが、安心感を持てる手立てが必要です。

「親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる」

大人になって、他人との違いを努力目標にすることがありますが、子どもは一人で生きていくのに精いっぱいなので、他人と比べられてもどうしていいのか分かりません。それが兄弟との比較であっても自分は自分なのに、と思っています。ましてや他人の子どもとの比較は、その理由も理解できないかも知れません。子どもは大人以上に認めて欲しいと望んでいるのです。

「叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう」

嘘をついたり、モノを壊したり、他人の物を盗ったり、他人に暴力をふるうなどの行為は絶対にしてはいけないことなので、その場で注意をしなければいけませんが、それをした理由を聞く必要があります。原因を聞き、それに対する手段が間違っていて、どうすればよかったのかを教えなければいけません。してはいけないことをした時こそが教育の機会です。お互いが理解を深めていければいいですね。

「励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる」

子どもが何かをやり遂げようとして、思いどおりにならなかった時には本人も落ち込んでいるし、気持ちも不安定です。その時になぜそうなってしまったかの原因と、次にどうすればいいのかのアドバイス、そして次もがんばろうという励ましを与えることができたら、子どもは成長しますね。

「広い心で接すれば、キレる子にはならない」

子どもに、あなたも好きな人と苦手な人がいるように、あなたにそういう気持ちを持つ人がいるのはあたりまえのことで、人はそれぞれ違った考え方をするし、それを受け入れる必要があることを機会をとらえて、ていねいに、具体的に教えてあげたいですね。

「褒めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ」

子どもが、何かをうまくやった時はもちろん、そうでなかった時でもやろうとしたことだけでも褒めると自信を持つと同時に、親が見ていてくれて、認めてくれたことに愛情を感じます。子供の作る世界は小さく、そして自分が中心です。自分のいる世界で、自分が伸び伸びと活動できる環境だと感じていれば、子どもは明るく成長します。

愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ

親の愛情を必要としない子どもはいません。子どもは親の愛情を受けていることを確認したいものです。愛情は思っているだけではだめで、言葉や態度で子どもに伝わるように表現しなくてはいけません。愛情とは好きとか愛しているだけではなく、子どものすべてを受け入れ、思いやり、信じるということです。親のそのような振る舞いを子どもは学び、真似をします。

「認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる」

子どもは、最初は自分が作る小さな世界に、一人でいる気がして不安を感じているところ、支えてくれる役割の親が登場してきて安心し、これでいいのだと自信がつき、自分を好きになります。誰かに支えられている自分は好きでしょう。

「見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる」

子どもはよく、何かをする時に、見て、見て、と見ていてくれることを望みます。頑張っていることを見ていて欲しいし、うまくいったら褒めて欲しいからです。また、見つめるだけではなく、言ってくることにも耳を傾けましょう。親の反応次第でやったり、話したりする能力が伸びていきます。

「分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ」

兄弟など家族のなかや友人との関係ではモノだけでなく、限られた場所や時間などを分かち合うことで生きていきます。そして、分かち合うこと、譲り合うことにはやさしさや思いやりだけでなく、強さも必要なことを学びます。

「親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る」

正直とはどういうことでしょう。見たまま、感じたままをそのまま表現することは正直とは言いません。身の回りに起きた出来事に対して、自分や他人に嘘をつくことなくそのまま認めて受け入れ、誠実に対応するという正直な振る舞いを続けていれば、ありのままの生き方となり、周りからの信頼を得ることができ、その大切さを体現で示すことができます。

「子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ」

子どもは親の接する態度に敏感です。親が兄弟などへの接し方に差をつけていたり、そのつもりはなくても、そう感じさせるような振る舞いがあると、子どもは自分のしたことに自信がなくなり、不安になります。とくに、兄弟喧嘩などの仲裁には注意をしなくてはいけません。どちらかの肩を持ってその場を収めるとその後、子どもは信念を持たずに、好かれようとしてしまいます。双方の言い分をよく聞き、納得させることができれば、子どもに正義感が芽生えます。

「やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ」

子どもは、自分が中心の小さな世界を作り、そこへ支え役の親が登場し、次第に仲間が登場します。その人たちと自分の世界の秩序を保とうとすると仲良くすることがいちばんなのです。仲良くするためにはやさしく、思いやりを持って接することが大切であることを、子どもの成長の過程でていねいに教えていかなくてはいけません。

「守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ」

子どもが困っている時に適切な援助をしたり、支えることで信頼が生まれ、自分は一人ではない、ということが実感できると自信もつきます。強い子とは、自信と信念を持ち、自主的に活動できる子です。そうなるためには、幼少期に親の支えが不可欠です。

「和気あいあいとした家庭で育てば、子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる」

子どもは、自分が中心の小さな世界を作り、そこへ支え役の親が登場し、次第に仲間も登場してきて、それが家族であることを知ります。その登場人物が、みんなやさしく、思いやりがあって楽しく過ごしている世界のなかで成長ができることは幸せなことです。子どもたちが幸せならば家族みんなが幸せです。そんな家族を作るためには、リーダーの果たす役割は大きいです。

親だけではなく、子どもが育つ家庭とその家庭のなかでの親の振る舞いが子供の成長に大きな影響を与えることになるのですね。

親の立場から家族全体を見守ることは大切ですが、子どもの側から感じる家族のありようも意識する必要がありますね。

たとえ、子どもにとっていまは親が一人でもそのつながりは変わらないでしょう。

子どもを明るく、健やかな子に育てるためには家族が一体となって、最小単位のコミュニティとして心を通じ合わせ、力を寄せ合って生きていくことが大切なのですね。

自分のいまの性格や生き方は、育ってきた家族の影響をどの程度受けてきたでしょうか。

考えてみれば、子どもを育てていくということは自分自身を育てていく、家族全員が成長をしていくことになっているのですね。

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