
出会いは偶然か必然か
「出会いはご縁」と言われていますが、私の場合はまさにその言葉どおりにたくさんの方たちとそれぞれさまざまなご縁があり、出会い、そしていろいろなカタチでのお付き合いをさせていただき、楽しい時間を一緒に過ごしたり、知識や情報の交流をしてきました。
ほとんどが出会ったことは偶然なのですが、きっかけとなる場所に出向いたり、会合に参加したり、入学したり、入社したりを含めて、あとで思い返すとなんだか出会うべくして出会ったような気がしています。
もちろんそのようなきっかけではたくさんの方にお会いしてきたのですが、特別な印象があって出会いと感じる方は、お互いに何か特別なもので引き合うのでしょう。
また、初めての出会いというわけではなくて、それまでお付き合いをしていた方が、私がピンチで困っている時に、なぜか偶然にその場に居合わせて力を貸してくれたり、解決のアイデアを提供してくれた、というまさに「時の氏神」となったことはいくどかありました。
対面だけでない出会い
出会いといっても、直接的にお会いする場合だけでなく、街の中やさまざまな施設の中などでの人の動きなどから考えていた問題の解決のヒントを得たり、読書などで登場人物の生き方や考え方に触れて心が動いたり、何気なく観ていたテレビの番組などから何かのひらめきのきっかけがあったり、それらも広い意味での出会いといえるでしょう。
出会いというのは、自分が何かに巡り合うことですが、自分のその時の心や考えの状態が、出会って見たり、感じたりした現象によって大きく触発されて、出会いが意味を持つことになるのであって、ただ誰かに会うということだけで意味のある出会いとなるとは限りません。
出会いというのは俗に、引きつけ合うものだ、と言われていてそういうケースも少なからずあるとは思いますが、誰かに出会ったり、何かを見たり、聞いたりしたときにこちら側の心が動くことなので、出会った時のこちら側の心の状態次第で意味のある出会いになったり、ただお会いしただけとなったりするのでしょう。
出会いの状態
その人との出会いが意味を持つのは、こちら側の心のコンデションによる、ということをこのブログの『第56話 出会いの状態』で書き、そこではたくさんの出会いの状況とその時の心や考えの状態を書きました。
ただ、出会いはきっかけで、出会ったときの心の状態もその後、変化があったりした場合には、出会った時の感動はいつまでも続いていかないこともありますね。
それこそ、出会ったときには人生を変えてしまうほどの衝撃的な出会いや運命的ともいえるような意味があったものの、お互いの心の変化などもあって、それがいつまでも続くわけではないということもおそらく何度もあったことでしょう。
出会った時のお互いの心の状態が維持され、お互いを信頼し合ってお付き合いが長く続くというのは、数ある出会いの中でも例外と言えるくらい稀なケースではないでしょうか。
出会いは始まり
お付き合いが長く続いていたということは、お互いの関係は出会った時とはおそらく変化していて、こちら側が一方的に相手に依存していたり、力を借りていたりしていた関係からお互いを認め合う対等な立場の関係で、信頼関係がベースのお付き合いになっていたからでしょう。
それでも、出会わないことには何も始まりませんね。出会いは始まりですね。
そして大切な関係だと思えるようになり、いつまでもその関係を続けていきたいという気持ちになったら、ある程度相手に合わせるなどの努力や工夫も必要でしょう。
永いお付き合い
相手に自分の都合ばかりを求めていては、相手が窮屈に思ってしまうことは当然ですが、求めている自分にも相手に対する期待が変化したり膨らんだりして、それがかなわないと失望することになり、お付き合いは続かなくなります。
男女の関係で、お互いに惹かれ合い、結婚という法律的にも縛られる関係になると、そう簡単に別々の生活を送るというのは難しくなります。
結婚という状態を長く続けていくにはお互いの相手に対する愛情は不可欠ですが、それがカタチとなる思いやりや我慢といった振る舞いも時には必要になるでしょう。
お互いが、相手に求めるばかりではなく、相手のために、相手が望むように自分を変えていく、という努力ができなくなった時には一緒に暮らすということは困難になります。
それは何も、結婚という関係だけでなく、親友という関係でも、さらには会社などでの上下の関係でも言えることで、決して媚びをうったり、自分を曲げたり、無理をしてまでということではなく、納得して自分を相手に合わせるという技術も、大切な関係で、それを永く続けたいと願うなら発揮していかなければなりません。
そんな心の持ちようを「第36話 道を譲ることができるのは」で書きました。
大切に思っている人と何かで衝突した時に、解決できるのは「譲る」という大人の対応ができる側です。
いまの関係の大切さとちっぽけな自分の意地やプライドのどちらを選択すべきかの判断、という大人の対応ができる側です。
出会いは特別ではなく、特別にする
偶然だったかも知れない出会いも、人生を変えてしまうほど大きな意味を持つこともあります。
そうですね、そんな出会いも求めて叶うということはなく、偶然に出会って、その出会いに大きな意味を持たせるのはお互いの気持ち次第で、できた関係をお互いが望むカタチに育てていくものですね。
これまでの人生を振り返ってみると、いい思い出も、そうでない思い出も、みんな出会いがきっかけで、作ってきたいい思い出や楽しく過ごしてきた時間は出会いから始まったわけですから、これから先もいろいろな方との出会いを大切にしていけば同じような経験ができるということになり、あまりいい思い出でないについては、その原因となった出会いを学習して、同じような出会いやその後のお付き合いを避けたらいいですね。
出会いは毎日のようにあり、決して特別でなく、いわば日常的ではありますがその一つ一つに何らかの意味が生まれます。その意味というのは、こちら側の出会った時のココロの状態に依るものなので、いつも自分の心の状態を意識しておく必要がありますね。
決してドラマチックでなくていいので、なにげなく出会い、その先にほのぼのとした楽しい時間を一緒に過ごすことができたらいいですね。
もしかしたら、すでに縁があって出会っている人たちの中に、本当は素敵な出会いだったのに気づかなかった、という人がいるかも知れないので、もう一度改めて周りの方たちを見つめると出会った時の関係から気持ちに変化が起きていて、新しい関係が生まれるかも知れませんね。
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