第71話 食育

考え方が変われば生き方も変わります
悩むことで心を傷つけるより、頭を使って考え、違う生き方を試してみませんか

「食文化」を守るために

これまで書いてきたように、「食べること」は生命や健康維持のために必要不可欠であることは言うまでもありませんが、「食事」は生活のなかの楽しみの一つとして欠かすことのできないものであり、「食文化」は日本人を自覚する精神文化のいしずえになっています。

日常的に口にする料理は、時代の変化やライフスタイルの変化、ほかの文化の変化にも影響されて味や食べ方、食材までも変化してきましたが、「食」を取り巻く環境や状況も変化してきました。

いまや、食べたいものをいつでも、どこでも、気が向くままに食べられるという環境ではなくなり、食べたいものを食べたいだけ食べるということや、逆にやせる目的などで食べることを控えることも限度が過ぎると弊害が生じたりで、いまや食べることにも正しい、適切な知識が必要になってきました。

具体的にはまず、食材の確保という意味で食料自給率ですが、我が国は先進国のなかでは最低レベルで、「食料」には米や肉、魚介類、野菜、果物などさまざまなものがありますが、「日本全体に供給された食料」に占める「日本で生産した食料」の割合の食料自給率は金額ベースで6割程度、カロリーベースで4割程度となっていることから、食料の安定確保に努める必要があります。

世界中から食材を確保せざるを得ない状況から、食材の安全性にも気を配る必要があります。

また、私たちの食生活は、ライフスタイルの多様化などに伴って大きく変化し、多種多様な料理を味わうことができますが一方では、栄養バランスの崩れや不規則な食事の増加など正しい知識を持たない人たちも増加傾向にあります。

このような状況に対して、行政や民間企業もさまざまな対策を講じていますが、最終的に食料を口にする私たちも正しい知識を持って、事態に対応することが求められています。

「食育基本法」

そこで2005(平成17)年7月に「食育基本法」が施行されました。

その背景にあるのは、昨今の「食」に関して、「「食」を大切にする心の欠如」、「栄養バランスの偏った食事や不規則な食事の増加」、「肥満や生活習慣病(がん、糖尿病など)の増加」、「過度の痩身志向」「「食」の安全上の問題の発生」、「「食」の海外への依存」、「伝統ある食文化の喪失」などの傾向がみられることが懸念されたためです。

そして目的は、食育によって生涯にわたって健康で文化的な生活を国民が享受し、結果として豊かで活力ある社会が実現することとしていて、さらに基本理念は、「国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成」、「食に関する感謝の念と理解の必要性」、「食育推進運動展開の必要性」、「子どもの食育における保護者・教育関係者の役割」、「食に関する体験活動と食育推進活動の実践」、「伝統的な食文化、環境と調和した生産者等への配慮及び農産漁村の活性化と食料自給率の向上への貢献」、「食品の安全確保」などとなっています。

数多くの食材を生産レベルから自力で確保することが難しいように、氾濫する情報のなかから、必要な、適切なものだけを選んで取り入れるということも個人レベルでは難しくなっています。

食材に対する安全性が確保されるような社会の仕組みづくりや誤った情報に対する規制は必要ですが、私たちも健康の基本である「食」に関心を持つことで、食生活が身体や精神面でプラスに作用するように努めなければなりません。

子どもたちに対しては、教育の基本である知育、徳育及び体育などに加え、食育を通じて健全な成長ができる環境を整える必要があります。

「食育」の効果

栄養バランスを考え、適量を意識して食事をすれば、肥満・栄養失調などのような病気を防ぐことができ、あらゆる行動の基本となる健康の維持につながるという教育、そして給食などについても栄養面はもちろん、安全性にも配慮が必要ですが同時に、メニューの検討や野菜の栽培などの課外活動に生徒側からの参加というのも食育の一環となります。

栄養バランスや食事のマナー、食材の生産現場から食卓までのつながりなどを知ることで食材に感謝する心が養われ、何人かで食卓を囲み楽しく食事をとることで情緒が安定し、協調性が身につくとともに、集団の一員として活動することで、自信を持てるようになることも考えられます。

「食べる」という行為は自然で、基本的なだけにあまり深く考えずに、さまざまな状況に対して無防備になってきているので、もう一度、行政、生産する現場や企業、流通や販売、調理に関わる企業、そして私たちも健康で毎日を過ごせるような「食生活」の確保、維持に努めることが必要でしょう。

さらに大切なことは、関心の高い「食べること」を通じてコミュニケーションをとる、ということかも知れませんね。

なんといっても、おいしいものを、みんなで楽しく食べることは幸せにつながりますね。

羽澤 幸成

学生時代の県人会幹事長として、のちに大活躍される国会、県会、市会の議員の方や役所の方、趣味の音楽活動を通じて芸能の世界で生きている方など多くの人たちに接し、社会人になってから海外進出など多くのプロジェクトを軌道に乗せ、その分野の専門の方たちとも知り合い、いくつかの新しいことにもチャレンジして、早期退職後の企業信用調査の仕事では、それまでの大きな会社の人たちとは違う中小企業や個人事業の方たちとお会いし、いまは地域コミュニティ活動を通じて地域の方たちと交流活動をしています。
それらのキャリアを通じて、たくさんの経験をし、外国の方も含め多くの人たちに出会い、楽しいことばかりでなく、いやな思いもたびたびして、いろいろなことを学びました。
それぞれの世界で、多くの人たちが作る人間模様のなかで、うまくいっている人やそうでない人もいて、能力以外に考え方が違うのだ、と感じました。
人それぞれ考え方が違うので、当然に生き方も異なり、一緒に仕事や生活をしながら、なぜ、そうするのかを考えることの繰り返しで対応しながらも、自分の信念は曲げずに生きてきたので、心を痛めて悩んでいる人に、こうは考えられないかな、と頭を使って苦境を打開するキッカケになってくれればと思っています。

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生き方の考え方

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