第32話 山を見て育つ、海を見て育つ

考え方が変われば生き方も変わります
悩むことで心を傷つけるより、頭を使って考え、違う生き方を試してみませんか

生まれた地域性

生まれた環境が、山に囲まれて育った人と、海を目の前にして育った人と、自然があまりなくて人工的な建物などが建ち並ぶ都会で育った人とは、それぞれ性格や人格形成に違った影響を受けたのではないかと思います。

自然豊かな地域で生まれた

山に囲まれた地域で生まれ、いつも高いところから見守ってくれているような気がする山、頂上には神社などがあって信仰の対象となる山、四方が囲まれていて閉塞感さえ感じさせる山を見ながら幼少期を過ごし、山に登ったり花や木、鳥や昆虫などを観察しながら木登りなどをして、川のせせらぎや鳥のさえずり、木々のざわめきなどを聞きながら自然に触れるということを意識するまでもなく、当たり前のようにあった景色を見ながら育ってきた人。

海沿いの地域で生まれ、春の海のような穏やかな海面の海、冬の空を写すかのようにどんよりした色の海、台風などで荒れ狂う波の海など、季節によって変化する海を見ながら、魚や貝などをもたらしてくれる恵みの海を感じ、泳いだりもぐったりして海を体感しながら、海を目の前にして、潮風を受け、潮騒を聞きながら、潮の香りをいつも感じながら育ってきた人。

山や海を見ながら育った人は、身近にあった自然に親しみ、自然の声を聞くことができ、自然と会話をし、自然への感受性が高く、自然への相応力もあるのではないかと思います。

また、自然体験活動をたくさん経験して育ったので、自然に親しみ、生命の大切さを知り、環境に対する意識が高く、豊かな心を持ち、探究心や自主性、想像力、表現力、問題解決力が身についている人が多く、おおらかな人間性など「生きる力」が備わっているのではないでしょうか。

と同時に、人間の力ではどうすることもできない大きな自然の力に対して無力感さえ感じ、努力の限界を知っているので自然の力に対応するには、地域の住民が協力し合って少しでも人間の力を大きくする必要があることから、同じ地域の人たちは、生活環境が同じなので、似たような感情を持っている人が多く、コミュニケーションがとりやすいのでは、と思います。

そして山や海は、いまの生活を大きく変えて別の世界に飛び込むためには、乗り越えなければならない障害物のようにも感じるかも知れません。

一面が田んぼや畑のなかで育った人、大きな川のそばで育った人なども同じ思いで幼少期を過ごしたかも知れません。

都会生まれ

一方、街の中や都会で生まれ育った人には、建物など人工物に囲まれながら人々の雑踏やさまざまな騒音を聞きながらも暮らしていく、生きていくのに、身の回りにたくさんの決まり事やルールがあり、隣りの人たちとの関係や社会の秩序を維持するためにそれらをよく知り、守っていく必要があります。

日々の暮らしを送るために、たくさんの種類の道具が必要で、しかもそれらは比較的簡単に手に入れることができ、ほかの人との比較でそれらを用意しなければならず、持っている、持っていないの差が明確に分かり、居心地よく生きていくには同一性が求められる場合もあります。

行きたい場所や食べたいもの、見たいものなどへのアクセスや移動などは比較的容易で、さまざまな体験を容易にすることができるものの、自然に触れる機会は少なく、共通の大きな生活基盤がないので、隣りの人が同じような考え方とは限らず、地域がまとまるきっかけも少ない傾向があります。

生まれた環境

生まれたり、幼少期を過ごした地域性の違いが、性格や人間性の形成、必要な生活の知恵などに大きな影響を与えるとは思いますが、家庭環境や生活環境、成長につれて得る知識や体験などほかの要素に依るところもやはり、同じような影響があると思われるので一概には言えませんが、山を見て育った人や海を見て育った人、都会で育った人には個性の違いの前に何か、大きな別の要素があるのではないかと思っています。

ほかに地域性や環境の違いとしては、暖かい南の地方で育った人と雪深い北国で育った人、大家族で育った人と一人っ子で育った人、職人や伝統芸能関連の家庭で育った人やいつも周りに音楽がある環境で育った人などによって、性格や人間性の形成に大きな影響を受け、その後の成人までの成長の仕方にも違いが出るのかも知れません。

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