「3」がつく言葉
数字を使った熟語や慣用句、ことわざ、故事成語などがたくさんあります。
たくさんの数字のなかで、比較的多く使用されるのが「1」と「3」でしょう。
なかでも、「3」のつくものでよく知られているのは次のとおりです。
「三位一体(魂、精神、肉体)」、「三権分立(司法・行政・立法)」、「三種の神器」、「三日坊主」、「三日天下」、「三度目の正直」、「二度あることは三度ある」、「仏の顔も三度まで」、「石の上にも3年」、「三段論法」、「三顧の礼」、「三人寄れば文殊の知恵」、「早起きは三文の徳」、「三つ子の魂百まで」、「三拍子そろう」、「3年目の浮気」などです。
ほかには、往年の野球選手、「三」塁手だった長嶋茂雄さんの背番号、そしてギザのピラミッドはもっともシンプルで完璧な幾何学形状である三角形が、効果的に利用された最高の例として有名です。
さらに、東京タワーは昭和33年にできあがり、高さは333m、総工費は約30億円、展望台スペースの名前はClub333と名付けられて、開所イベントは3月3日に行われるなど、東京タワーにはたくさんの「3」が隠れていたのです。
「3」は区切れになる
なんとなく「3」という数字は、縁起や区切りが良さそうな数字ですね。
そのためなのか、嘘をつく時にとっさに出る数字が3とか5とか8になるそうで、「うその3・5・8」とも言われています。
誰かに何かを聞いて、答えが3とか5とか8の場合は、疑ってしまうし、逆に聞かれた答えが本当に3とか5とか8の場合は、根拠も合わせて説明した方が良さそうですね。
「3」という数字は“調和と安定”を意味する数字で、建物を安定させるのも三角形の構造が良いとされているなど、「3」は縁起のいい数字だ、とのことです。
また、「3」などの奇数は割り切れないので「縁が切れない」ことを連想させ、「2」や「4」などの偶数では対立を生むため、偶数より奇数のほうが好まれるそうです。
知り合いに、夫婦での旅行は最長でも二泊三日にしている、という方がいて、理由は、三日目の夜に夫婦げんかになることが多いから、だそうです。
私も数人で長期の出張をすると、三日目の夜にもめることが多かったので、納得できます。
四日目からはふつうに過ごせるので、おそらく最初の三日間は旅に出ている特別感があって、四日目には今やっている行動に気持ちが順応するということで、三日目の夜は気持ちが切り替わるタイミングなのでしょうね。
最初にあげた「三日坊主」は、おそらくそのような、よくある事例から生まれたものなのでしょう。
生活のなかの「3」関連
ほかに、「3」には朝・昼・晩の三食とか、向こう三軒両隣、団子三兄弟、おせち用重箱の三段重ねなど、3つでワンセットみたいな意識もありますね。
また、三枚目、三等賞、「売り家と唐様で書く三代目」、「三丁目の夕日」などのように、1や2でないことに悲哀も感じられます。
女性の三人には、「女三人寄ればかしましい」とか「娘三人持てば身代潰す」などと、あまりいいことはなさそうですが、最初のは「かしましい」の漢字が「姦しい」と、女という字が3つ重なっていることもあるでしょう。
人生も、途中にいろいろあっても最後の3年間が楽しければ、いい人生だった、と思えるそうです。
しかし、逆の場合もありますから、晩節を汚さないようにしなければいけませんが、どちらにしても最後の3年間は大事なようですね。
ゴルフでいうと、油断禁物のあがり3ホール、というところでしょうか。
そもそも日本人は、いろいろなものやできごとを3つに分けることが好きなのではないでしょうか。
分類では上中下とか、段階ではホップ・ステップ・ジャンプや序破急とか、料理の値段などでは松竹梅とか、信号の色も三色ですよね。
3つに分けるイメージとしては、両極端とその中間というような意味合いでしょうか。
最後は、日本的なダジャレ風ですが、数字の「3」は、その読みが「みつ」であることから、「満つ(みつ)」や「充つ(みつ)」と意味を重ね合わせて、満たされる、思いや願いが叶う、充足感などを象徴する縁起の良い「言葉」として考えられてきました。
なんだか「3」という数字は、区切りのいい感じがし、歴史的にも、宗教的にも、数学的にも、天文学的にも調べてみるとミステリアスな意味があるようですが、1や2にない味わいがあって、なにか引きつけられる気がしますね。
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