第108話 家庭の変化と家電

考え方が変われば生き方も変わります
悩むことで心を傷つけるより、頭を使って考え、違う生き方を試してみませんか

いろいろな家電

生活のなかで、仕事や勉強、そして調理や掃除、洗濯などの家事、さらに娯楽などさまざまな活動を支援してくれるものに「家電」と呼ばれる「電気製品」があります。

多くの人はさまざまな「家電」に囲まれて生活をしていますが、活発に活動をしている人、元気に日々を過ごしている人ほど「家電」を必要とし、使用頻度も高いでしょう。

また、一緒に暮らす家族が多いと家事が増え、それぞれに趣味などもあることから家庭内に「家電」の種類や数量も多くなります。

「家電(製品)」とは、行政用語としては「家庭用電気機械器具」といわれ、一般的には家庭などで使う目的で作られた家庭用の電気機械器具のことです。

同じような意味で電化製品という言葉がありますが、これは電気の力で動く機械全体になるので、家電製品は電化製品の一部ということになります。

また、白物家電や黒物家電という分類もありますが、これは製品ごとの使途や機能をその特徴的な色で分類しているもので、白物家電とはおもに白色を中心とした冷蔵庫や洗濯機、炊飯器、電子レンジ、掃除機、エアコンなど家事家電や生活家電としての役割のものをさす場合が多いようです。

一方黒物家電とは、テレビやオーディオ機器などおもには娯楽として楽しまれる家電をさす場合が多く、そのためパソコンやゲーム機、カメラなども含まれるようですが、言葉や分類としては白物家電ほどの認知度はないように思えます。

その使用目的で家電を分類すると、掃除や洗濯などの家事を支援してくれる掃除機や洗濯機、冷蔵庫などの生活家電、おもに電子レンジや炊飯器など料理などを支援してくれる調理家電、エアコンなどのように住宅に設置されている住宅設備家電、ヘアドライヤーなど健康や美容目的で使用される家電、テレビや音響機器のように映像や音楽を楽しむための音響家電、扇風機やこたつなどの季節家電のようになります。

これらはどれも、それぞれの活動の目的を達成したり、時間や労力を削減できるような効率化に貢献したり、快適に時間を過ごすことを支援してくれたりする効果をあげるために開発、販売されているものです。

家庭の変化と家電の変化のきっかけ

家庭の変化が家電の進化に影響を与え、家電の進化が家庭での家族の時間の過ごし方などに変化を与えたと言うことができます。

昔話の桃太郎ではおじいさんは山へしば刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行くというように古くから洗濯や掃除などの家事は女性に任された重労働でしたが、洗濯機や掃除機は家事作業の負担を軽減し、女性の社会進出を後押しすることになりました。

逆に言うと、専業でやらざるを得ないほど主婦にとって以前の家事は負担が大きかったということです。

ひと昔前、多くの家庭の主婦は、夫や子どもの世話をしながら家族6~7人分の食事の準備や調理、後片付け、洗濯に加え、戸建て住宅が多かったので、室内外の掃除、庭木の手入れなどに追われる日々で、当時はまだ家事を支援する家電も高価だったり、まだ登場していなかったりで、今と比べると家事は重労働だったのではないかと推察します。

洗濯だけ考えても、一緒に暮らす家族全員の衣類や下着、さらには赤ちゃんのおむつまで手で洗って、絞って干していたのですから大変さが想像できます。

昭和30年代には三種の神器として電気洗濯機、電気冷蔵庫、電気掃除機などが普及して時間的余裕ができたことで共働きの夫婦が増え、それに伴い生活水準も向上して時間の過ごし方にも快適さが求められ、エアコンなどにとどまらず、住宅そのものへの関心も高まっていき、親元から独立してマイホームを持つことに意欲を持つ人たちが増加し、それによって家族の核家族化が進んでいき、また、結婚していない人たちも親元を離れていく傾向が増えることで単身世帯が増加し、それらの結果、高齢世帯の増加などの現象が生まれるようになりました。

また家電の進化は、生活などライフスタイルに大きな影響を与える個人や家庭に入ってくる情報という面から情報を入手する道具として、それ以前と比べ物にならないほどの情報量の増加、質の正確さと高まり、即時性の向上などに多くの影響を与えました。

その昔は、世間話などからしか知ることがなかった世の中のできごとをラジオの普及により、ニュースなどとして広く知ることができるようになりました。

ラジオから聴こえてきたのはニュースだけでなく音楽やドラマなどの演劇もありました。

ドラマなどは小説のような読み物として目から入ってくるか、講談や落語などとして演じられている場所へ行って聞いていたものが、自宅にいて他人の声で聞くようになり、想像する世界は目からの情報に比べて全く別のものというほど幅広く、奥行きの深いものになりました。

音楽も同様に、それまで直接聞く機会は少なかったところへ、ラジオによって流れるように入ってくるようになり、ドラマなどとともに娯楽の一つになりました。

続いてテレビが登場しますが、1959年の当時の皇太子殿下と美智子妃殿下のご成婚パレードや1964年の東京オリンピックなどを機会に多くの家庭に普及することとなり、ラジオとは違って目からも大量の情報が入ってくるようになって、ニュースだけでなく放映されるドラマや喜劇、音楽などを見たり、聞いたりすることが一般的な娯楽になると同時に、さまざまな人たちの生活の様子も知ることになり、それらの影響を受けてライフスタイルも大きく変化しました。

いまでは、パソコンやスマートホンをほとんどの人たちが持つようになり、大量の情報が入ってくるとともに、こちらから欲しい情報をいつでも入手することもでき、さらにはSNSやAIなどを利用して考えることの手助けを得たり、情報を広く発信することも可能になりました。

ここまで日本で一般的には、ラジオの普及から約80年、テレビの普及から約60年、パソコンの普及から約30年、スマホの普及から約10年での現状ですが、情報入手の道具の変化は個人や家庭のライフスタイルの変化に大きな影響を与えただけでなく。情報を発信する側の体制も変遷を続け、道具の製造技術もより便利で、高度なものに発展してきました。

家電の変化、家庭の変化と生き方の変化

ライフスタイルの変化に影響を与えたものはテレビやパソコン、スマホだけでなく、ほかの家庭電化製品と呼ばれる冷蔵庫や洗濯機、掃除機、電子レンジ、エアコン、そして自動車などでしょう。

家庭の変化は、そうしたいわゆる家電の変化のほかに家族構成の変化の影響も大きいと思います。

一緒に生活をする家族の構成が、核家族といわれるようにおもには2世代で、子どもの数も以前よりは少なくなり、それにより家事の手間も軽減され、加えて家電の活用や育児休暇の取得や働き方改革など家庭環境も変化をし、それに伴い当事者たちや周囲の方たちの家庭に対する意識にも変化が起きて、家庭のなかでそれぞれが自分の時間を比較的自分の好きなように過ごすことができるようになりました。

家族で一緒に過ごすことができる時間が増え、お互いのコミュニケーションを通じて楽しく過ごしたり、助け合ったりすることもできるようになった一方で、パソコン、スマホの普及でコミュニケーションの手段や方法も変化をし、会話の相手が家族以外でも容易に選択でき、場合によっては一度も会ったことがない見ず知らずの人、語っている内容が事実かどうかも分からない人、さらにはAIなど人間でない場合もあります。

家事に変化を与えたのは、まずは電化、次に家族構成の変化、そして今では働き方の変化など時間の使い方の変化、家族の生き方の変化などでしょう。

そして、家庭が変わり、それぞれのライフスタイルが変わり、使う用具、道具が変わり、時間の過ごし方が変わり、一緒に時間を過ごす相手が変わり、生き方が変わってきました。

手間を省きたい、便利さを感じたい、清潔にしていたい、自由な時間を増やしたい、生活の幅を広げたい、時間の過ごし方を楽しみたいなどの願いから家電は進化をしてきて、それに伴ってそれぞれの生き方も変わってきました。

最近はあまり聞かれなくなったものの、“家族家団らん”という家庭での家族みんなが楽しく過ごす様子の表現がありますが、その光景に家電などの道具は目立たず、家族がそれぞれ持ち寄った話題を中心に笑顔で語り合っているというイメージが浮かびます。

ひと昔前は、テレビが家族共通の話題つくりに貢献し、“家族団らん”のきっかけになっていましたが、家族がお互いに向き合って話をするという光景ではなかったような気がするし、いまは家族がそろってテレビで同じ番組を見るということもなくなり、家族みんながそろうのはせいぜい食事の時間くらいなので、“家族団らん”のためにはせめて食事中にはスマホを操作しないなど、食事の方法を工夫する必要がありますね。

私は、技術の進歩に振り回されることなく、自分の望む生活が便利であることの範囲で家電を活用し、日々元気に、気の合った人たちとできるだけ長く、楽しく時間を過ごすことができればいいと願っています。

羽澤 幸成

学生時代の県人会幹事長として、のちに大活躍される国会、県会、市会の議員の方や役所の方、趣味の音楽活動を通じて芸能の世界で生きている方など多くの人たちに接し、社会人になってから海外進出など多くのプロジェクトを軌道に乗せ、その分野の専門の方たちとも知り合い、いくつかの新しいことにもチャレンジして、早期退職後の企業信用調査の仕事では、それまでの大きな会社の人たちとは違う中小企業や個人事業の方たちとお会いし、いまは地域コミュニティ活動を通じて地域の方たちと交流活動をしています。
それらのキャリアを通じて、たくさんの経験をし、外国の方も含め多くの人たちに出会い、楽しいことばかりでなく、いやな思いもたびたびして、いろいろなことを学びました。
それぞれの世界で、多くの人たちが作る人間模様のなかで、うまくいっている人やそうでない人もいて、能力以外に考え方が違うのだ、と感じました。
人それぞれ考え方が違うので、当然に生き方も異なり、一緒に仕事や生活をしながら、なぜ、そうするのかを考えることの繰り返しで対応しながらも、自分の信念は曲げずに生きてきたので、心を痛めて悩んでいる人に、こうは考えられないかな、と頭を使って苦境を打開するキッカケになってくれればと思っています。

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