第9話 「自分」は「私」を知らない

考え方が変われば生き方も変わります
悩むことで心を傷つけるより、頭を使って考え、違う生き方を試してみませんか

「私」は「自分」ではない

「自分」は、「自分がよく知っている自分」です。

「自分」のことなので「自分」の、「短気だとかのんびり屋」「なんでも一生懸命とか結構なまけ者」などの性格や「食べ物の好き嫌い」「人間関係の好き嫌い」などの好み、クセ、価値観、過去の記憶や将来の夢、現在の趣味などを知っています。

一方「私」は、「あなた」から見た「私」です。

「あなた」が「私」をどう思っていたり、感じているのかは分かりません。

ましてや、「私」の周りに「あなた」はたくさんいます。

「私を好きなあなた・嫌いなあなた」「私が好きなあなた・嫌いなあなた」などたくさんの「あなた」がいるので、それぞれみなさんが「私」をどう思っていたり、感じているのかは分かりません。

つまり「私」は「あなた」の数だけいることになります。

しかも、それぞれがみんな違う「私」です。

「あなた」が「私」をどう思い、どう感じ、どうして欲しいのか、して欲しくないのなど「自分」には分かりません。

ただ、「あなた」が知っているのは、“いま”目の前にいる「私」で、「私」の過去や将来に目指す姿などは知りません。

「私」がいい人

「あなた」が「私」を“いい人”と思っている場合、一般的には「私」は「あなた」にとって“(いると都合が)いい人”というケースが多いです。

逆に、“よくない人” と思っている場合、一般的には「私」は「あなた」にとって“(いると都合が)よくない人”というケースが多いです。

それも「今は」という前提で、何かのきっかけがあれば“いい人”や“よくない人”の印象も変わってしまうので、「あなた」が望む“いい人”で居続けることは難しいです。

「私」は、みんなからというのは無理だとしても、できるだけ多くの人から好かれていたいし、大好きな「あなた」からならなおのこと好かれていたいです。

できれば誰からも嫌われたくないです。

「自分」は、「自分自身」が意識できるし、コントロールできるのですが、「私」はコントロールすることが難しいので、アバターのように創り上げるしかありません。

しかし、そんなに多くの「あなた」に合わせて、たくさんの「私」を作ることはできないので、誰からも好かれやすい、無難な「私」を作ります。

「あなた」に好かれようと作った「私」が嫌われてしまったら、また別の「私」を作り直せばいいし、仮にひどく嫌われてしまった場合には「私」を作った「自分」の腕が悪かったということだけなので、「自分」が嫌われたわけではないと思い、「自分」を傷つけてはいけません。

そんな「私」が「自分」に近い「私」であれば楽なのですが、あまりに「自分」と違っていては長い時間コントロールし続けるのは難しいし、どこかで無理が出て、無難な「私」として振る舞うことができなくなり、それが苦痛に感じるようにもなってしまいます。

気が楽なのは、「自分」にできるだけ近い「私」として「あなた」の前に出て、できるだけ“いい人”と思ってもらえる時間が長く続くことを願うしかありません。

「自分」を大切にする

「自分」は変えられないし、たくさんの「あなた」のために変えたくはありません。

たくさんの「あなた」のために「自分」を変えていたら「自分自身」でも「自分」が分からなくなり、コントロールできずに、「自分」を見失ってしまいます。

「自分」に近い「私」でいて、それでも一緒にいてくれる人と同じ時間を過ごすということができればいいですね。

そして、たくさんの「あなた」が(勝手に)思っている「私」を、特に意識しないで生きていけたら楽ですね。

そのためには、「自分」は強くなければいけないかも知れませんね。

「私」に惑わされない「自分」を強く自覚することですね。

努力して「自分」に克つということはありますが、「私」に克つということはありません。

「私」ではなく「自分」を鍛えましょう。

「私」よりも「自分」を大切にしましょう。

羽澤 幸成

学生時代の県人会幹事長として、のちに大活躍される国会、県会、市会の議員の方や役所の方、趣味の音楽活動を通じて芸能の世界で生きている方など多くの人たちに接し、社会人になってから海外進出など多くのプロジェクトを軌道に乗せ、その分野の専門の方たちとも知り合い、いくつかの新しいことにもチャレンジして、早期退職後の企業信用調査の仕事では、それまでの大きな会社の人たちとは違う中小企業や個人事業の方たちとお会いし、いまは地域コミュニティ活動を通じて地域の方たちと交流活動をしています。
それらのキャリアを通じて、たくさんの経験をし、外国の方も含め多くの人たちに出会い、楽しいことばかりでなく、いやな思いもたびたびして、いろいろなことを学びました。
それぞれの世界で、多くの人たちが作る人間模様のなかで、うまくいっている人やそうでない人もいて、能力以外に考え方が違うのだ、と感じました。
人それぞれ考え方が違うので、当然に生き方も異なり、一緒に仕事や生活をしながら、なぜ、そうするのかを考えることの繰り返しで対応しながらも、自分の信念は曲げずに生きてきたので、心を痛めて悩んでいる人に、こうは考えられないかな、と頭を使って苦境を打開するキッカケになってくれればと思っています。

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自分と私とあなた

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