第66話 この会社は「いい会社だ」

考え方が変われば生き方も変わります
悩むことで心を傷つけるより、頭を使って考え、違う生き方を試してみませんか

誰が言っているか

昨今、企業は業績だけでなく、企業に対する評判にも注意を払わなければならず、その内容は業績にも影響する場合があります。

この会社は「いい会社だ」という評判と、「良くない会社だ」、という評判ではすべての点で大きな違いになります。

問題は、誰が言っているか、誰にとって「いい会社」なのか、「良くない会社」なのかですね。

「ステークホルダー」という言葉があります。

企業が経営をするうえで、直接的または間接的に影響を受ける利害関係者のことです。

具体的には、株式会社では「株主」であり、そして社外では「取引先」や「金融機関」、「顧客」、そして社内では「従業員」と「役員などの経営者」、そして関連する「地域社会」「行政機関」など、企業が経済活動をする上で密接な関わり合いがある法人や組織、個人などです。

「いい会社」の評価

では「いい会社」とはどんな会社でしょうか。

「株主」からの評価は、業績が安定し、利益体質で、成長が見込め、高配当が受け取れれば「いい会社」となるでしょう。

「取引先」からの評価は、たくさんの注文が安定的にあり、支払条件がよければ「いい会社」となるでしょう。

「従業員」からの評価は、高い報酬が得られ、福利厚生が充実し、労働条件や職場環境が良く、通勤にも便利で、仕事の内容が自分にも適していてやりがいを感じ、世間からも評判が良くて、地元を含め社会貢献ができている場合には「いい会社」となるでしょう。

「役員などの経営者」からの評価は、業績が安定し、成長が見込め、ほかのステークホルダーからの評判がいい場合には「いい会社」となるでしょう。

「顧客」からの評価は、品質のいい製品や商品が適切な価格で、欲しい時に安定的に手に入る場合にはいい会社」となるでしょう。

百貨店やスーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンターなどのように消費者が直接訪れることができ、店内の様子を感じることができる場合には、自分の欲しい品物が、納得できる価格で、たくさん並んでいて、店内の雰囲気もよく、交通の利便性もよく、店員の接客マナーもいい、などの条件が揃っているということでしょう。

企業とステークホルダーとの関係は必ずしも、簡単に高収入につながる、とかいい製品、商品を安価で手に入れることができるというだけではないですね。

ステークホルダーそれぞれが「いい会社」という条件は以上ですが、逆に「良くない会社」という評判は、これらすべてが逆の内容の場合になりますね。

「いい会社」の条件

なかなか、すべてのステークホルダーから高い評価とまではいかなくても、少なくても「良くない会社」という評価が生じないようにするだけでも難しいことだと思います。

企業は当然に、コンプライアンスを遵守し、ガバナンスを強化しなければならず、違法行為は論外で、社内での不正行為やハラスメント行為、検査結果などのデータ改ざんや虚偽報告、システム障害や情報漏洩などの不祥事やトラブルは未然に防ぐ努力と、万が一にそれらが発生した場合には迅速な回復措置と情報公開に努めるという企業姿勢は健全な社風によってもたらされます。

危険な兆候

問題となるのは、企業内内部の「従業員」や「役員などの経営者」からの評判は良くても、「取引先」や「顧客」からあまりいい評価が得られていない場合や、企業内部でも「役員などの経営者」からの評判は良くても、「従業員」から不満が出ている場合、また、製品や商品の評判は良くても企業の地元などに騒音や環境に悪い影響を与えている場合などです。

これらの状況は企業にとっては危険信号で、それらが察知された場合には時間をかけずに、抜本的な解決を図らないと、問題はさらに深く、複雑になり、ますます解決が難しくなるだけでなく、企業業績にも影響が出てくるようになると、企業の存続にかかわる問題にも発展しかねません。

社会のルールに適合している

多くの企業は、製品や商品の適正な価格と確かな品質による安定供給によって、社会的使命を果たしながら、積み上げてきた実績をさらに伸ばし、社風と規律、公正なルールを守ってステークホルダーの支持を受けている、といういわばあたりまえの企業行動を果たしています。

さらに、ここでは詳しい説明は省きますが、いまや企業を取り巻く経営環境は、まさにSDG‘s(持続可能な開発目標)への取り組みという高い意識が求められていて、ステークホルダーからだけの視点でなく、自然との共存まで意識した経営理念と企業活動を成し遂げ続ける企業でないと存続が難しいのかも知れません。

誰から見ても「いい会社」というのは、存続し続ける会社で、その存続し続けるための条件をクリアし続けている会社、ということになるでしょうか。

羽澤 幸成

学生時代の県人会幹事長として、のちに大活躍される国会、県会、市会の議員の方や役所の方、趣味の音楽活動を通じて芸能の世界で生きている方など多くの人たちに接し、社会人になってから海外進出など多くのプロジェクトを軌道に乗せ、その分野の専門の方たちとも知り合い、いくつかの新しいことにもチャレンジして、早期退職後の企業信用調査の仕事では、それまでの大きな会社の人たちとは違う中小企業や個人事業の方たちとお会いし、いまは地域コミュニティ活動を通じて地域の方たちと交流活動をしています。
それらのキャリアを通じて、たくさんの経験をし、外国の方も含め多くの人たちに出会い、楽しいことばかりでなく、いやな思いもたびたびして、いろいろなことを学びました。
それぞれの世界で、多くの人たちが作る人間模様のなかで、うまくいっている人やそうでない人もいて、能力以外に考え方が違うのだ、と感じました。
人それぞれ考え方が違うので、当然に生き方も異なり、一緒に仕事や生活をしながら、なぜ、そうするのかを考えることの繰り返しで対応しながらも、自分の信念は曲げずに生きてきたので、心を痛めて悩んでいる人に、こうは考えられないかな、と頭を使って苦境を打開するキッカケになってくれればと思っています。

羽澤 幸成をフォローする
アイモバイル広告
人間模様

コメント

タイトルとURLをコピーしました