第77話 まちづくり、地域づくり その3

考え方が変われば生き方も変わります
悩むことで心を傷つけるより、頭を使って考え、違う生き方を試してみませんか

地域活動をされている人たち

住んでいる行政の区内や地元で行われている「まちづくり」、「地域づくり」、「支え合い」、「ふれ合い」などの地域活動に参加すると、多くのボランティアの方たちと出会います。

参加されている皆さんは、現在居住している地域や地元を愛していて、発展や活気が出たり、誰でもがより住みやすい環境の条件整備などに向けてさまざまなことを話し合ったり、行政からの助成を得たり、行動の趣旨に賛同してくれる有志を募ったりを通じて、目指す効果が実現できるプランを検討したり、できることから実行していこうとしています。

集まっている人たちは、言い方はよくありませんが、時間ができてヒマとお金があるからなにか他人(ひと)の役に立ちたい、など漠然とした動機からの人は見当たりません。

たとえば、うつ病やひきこもり、不登校、子育てなどで過去に自分自身や家族が苦しんでいて、その状況から抜け出せた経験から、同じような悩みを持つ人の状況や気持ちを理解できるので、話しを聞いたり、寄り添うことで力になりたい、ということからボランティアで活動の場や実現の方策を模索している方もいらっしゃいます。

また、親からの虐待やネグレクトなどが遠因となって養護施設で暮らしている子どもたちの将来について、自立できるように一人一人から話しを聞いたり、勉強を教えたり、就職の斡旋をしたりで親身になって寄り添っている方もいらっしゃいます。

地域活動の動機

そんな方たちのボランティア活動の動機は、そのような苦境にいる子どもたちは本人が原因ではなく、親によるケースが多く、その親もさまざまな事情を抱えている、など親や子どもたちの状況を自分たちで変えることができないことから社会問題となっているので、地域や有志のボランティアが身近で支えることで、事態をいい方向に変えることができるように力になってあげたい、というケースが多いです。

自分や家族が苦境から抜け出せたことで良しとしないで、その経験が同じような状況にいる人たちの役に立てるのではないか、として外に目を向けることができる心配りがすばらしいです。

また、地域で暮らす外国人の方たちが、近隣住民たちと交流を図ることで住みやすい、暮らしやすいと感じてもらえるような地域づくりの役に立ちたいと活動をされている方もいらっしゃいます。

自分にできること

いわゆる「プロボノ」といわれている、これまでの本業としてきたキャリアを通じて得た専門的な知識や経験を無償で提供することで本業以外の地域活動などで生かしたい、という方やそこまでの専門知識のレベルではなく、自分の過去の実体験や取得している資格、これまでの防災・消防の自衛活動、管理栄養士、青少年指導員、ハンドセラピー、ユーチューバー、コーディネーター、麻雀、花屋、大学のまちづくりゼミなどの経験、知識などを生かせるのではないかということでさまざまな分野でなにか、誰かの力になりたいと、いろいろな方たちと力を合わせて活動の可能性を話し合い、プラン作りをして実行計画を立てています。

意識の変化

私はこれまで会社勤めで、給料をいただいているので当然と言えば当然ですが、いつも考えているのはどうしたら、売上高や扱い高の増加、得意先など顧客や取引先の拡大や関係維持、作業の効率化、経費削減を図るなど最終的にはいかに利益を生み出すことができるかとか、ほかの人に迷惑をかけないなど会社に貢献する意識が働いていましたが、地域活動にかかわるようになってそれとはまったく別の意識が働くようになりました。

とはいえ私は、最近いくつかの地域活動にかかわるようになったばかりなので、しかも居住地域内の活動に限定されているので、もちろん、ほかの地域や広く世の中で行われている地域活動やボランティア活動についてはまったく分かりませんが、当面の目標として、せめてもの恩返しの気持ちもあり、地元の皆さんや新しく地域に転入されてこられた方たちに「この街はいい街だ」と思っていただけるように環境の整備をしたいと思っています。

地元の方たち、老若男女、子育て中の方や家に引きこもっている方たちが気軽に出かけてきて交流できる場の提供や盆踊り大会、お祭り、さまざまなイベントを企画したり、清掃活動や防犯パトロールなどのボランティア活動への参加の呼びかけなどを行って、できるだけ多くの方に地域活動に関わっていただくことで、地元を盛り上げていきたいと考えています。

町内会の役割

まちづくりや地域づくり、支え合いやふれあい活動には多士済々の方たちのボランティア活動が不可欠で、知識や経験をお持ちの方だけでなくボランティア活動ですからそれぞれの方たちが、都合がつく時間にできる範囲で協力をしていただきますので、それこそ老若男女のできるだけ多くの方たちの参加が望まれるところです。

それにはやはり町内会というしっかりとした組織の基盤が必要で、必要な地域活動の企画や運営計画、安全を確保するためのボランティアの動員などのとりまとめを行ったり、諸経費をまかなったり、行政への助成などの働きかけなどは個人の力では実現することは難しく、町内会という組織力と担当の役員がたのリーダーシップに負うところが大きくなっています。

町内会として長い間続けてきた地域活動を維持・継続したり、新たに提案されるさまざまな新規の地域活動も、まずはできることからやってみて、その後に必要な修正や変更をし続ければいいと思っていますが、それにも町内会と担当役員の果たす役割は大きいです。

地域にどんな人が住んでいて、なにか困っていることはないか、また、災害や事故など万が一の場合に自力で対応できるか、など地域の状況を適確に把握し、お互いに支え合い、助け合うためにはネットワークによるコミュニケーションが欠かせませんが、それにも対応できる町内会の組織や町内会として行政に支援を働きかける交渉力が問題解決には必要不可欠です。

町内会にかかわる前までには、日々の生活のなかで特に困っていることはなかったし、そのような地域活動も知らずにいましたが、町内会にかかわるようになり、関連のほかの地域活動にも参加するようになって、多くの方たちがさまざまな地域活動をしていることを知りました。

そういう活動にかかわることが煩わしいと感じることから町内会への加入を敬遠される方もいらっしゃいますが、そこは生き方の違い、というここで決して強制することでもないので、町内会のことを知っていただいて、それでも加入したくない、というのであれば仕方がないことです。

ただ、町内会に加入されない方や町内会費が高いという方の多くは町内会や町内会活動をご存じない方で、地域で暮らしていくためには、なにも特別な地域活動だけでなく、地域の清掃活動やゴミ処理についての行政との交渉、ほぼ毎日の小学校の登校時の見守りや定期的な夜間の見回り、街灯の管理、万が一の災害や事故などの場合の連絡網の整備や避難場所、備蓄品の確保、避難訓練、回覧板などによる行政からの広報内容の連絡や集まって来る地域の情報の伝達などの日常的な活動があって、地域の安全や治安、衛生、景観・清潔さが守られていることを理解していただければ考え方も変わっていくのではと思います。

地元が好き

まちづくり、地域づくり、地域活動の基本になるのは、地域にはいろいろな事情・状況の方、いろいろな考え方をお持ちの方、さまざまな経験・知識をお持ちの方が偶然に、なんの拘束もなく住み、暮らしている、ということを前提にしたり、理解したりすることで、その上で、地域住民のできるだけ多くの方たち、特別な事情・状況の人たちの役に立つことをするためにはどうするかを考えることです。

地元が好きで、地域の皆さんのなにか役に立ちたい、この街はいい街だと感じていただきたい、という気持ちから地域活動に、ボランティアで、熱心に参加されている方たちには頭が下がる思いです。

できるだけ多くの方が地域活動に参加していただけると、それだけで街づくりや地域づくりの可能性は広がります。

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