第41話 ノブレス・オブリージュ

考え方が変われば生き方も変わります
悩むことで心を傷つけるより、頭を使って考え、違う生き方を試してみませんか

「ノブレス・オブリージュ」は「地位」の高い人の振る舞い

「ノブレス・オブリージュ」、あまり聞きなれない言葉ですね。

その理由は、日本ではそのような意識や振る舞いが、あまりなじみがないからです。

「ノブレス・オブリージュ」はフランス語で、「ノブレス(nobless)」は「高貴さ」、「オブリージュ(oblige)」は「(義務を)強制する」という言葉ですが、意味するところは「身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務がある」ということになります。

解釈の違いにより考え方には、賛否両論がありますが、貴族や上流階級などの財産・権力・地位を持つ人は、それ相応の社会的責任や義務を負う、という欧米社会に浸透した道徳観のことです。

日本語では「位高ければ徳高きを要す」と訳されますが、日本ではチャリティ意識としてボランティア活動に参加することはあるものの、「日本は寄付文化が根付かない」と言われるように多額の寄付をするということはあまりなじみがありません。

日本国民の義務でもある「納税」に対してでさえ、意識は消極的です。

社会的弱者をセイフティーネットとして法律や制度などの社会システムで救うことはもちろんですが、国民全体の意識として、力のある人が「慈善」活動によって社会に貢献する、ということが浸透すれば、循環型共生社会として支え合いの仕組みが目に見えるようになるでしょう。

「地位」と「職権」

このような考え方は、日本ではビジネスの世界で、会社組織のなかで「地位」が高い人や強い「職権」を持っている人は、与えられた力を活用して会社組織に貢献しなければならない、と解釈されています。

高い「職権」がある人は、会社組織のなかでは「偉い人」といわれますが、何が、なぜ、偉いのかは分からないし、社内だけの限定的ですね。

社会で高い「職権」があるということは、例えていうと「交通整理のおまわりさん」のような役割があるということでしょう。

おまわりさん自身が交通規則やルールというわけではなく、交通事故を防ぐために、交通渋滞を起こさないように、安全で快適な運転ができるように、車を運転するすべての人に交通ルールなどを守るように指導したり、違反者の取り締まりをしています。

おまわりさんがその役割で不適切な指導をしたり、交通ルールに反するような指導をすれば道路は混乱するし、事故にもなりかねません。

会社組織のなかでも力のある人が、ルールや規律に反するように権力を振りかざすようでは社内に悪影響を与えてしまい、結果として会社の損失を生むことになります。

「地位」ある人が尊敬されるには

「ノブレス・オブリージュ」的な考え方によると、会社組織のなかで力のある人に求められるのは「真摯さ」です。

「真摯さ」の意味は、「ひたむきに、誠実に事に当る様」ということで、仕事であれば「真面目に、熱心に働く」ということですが、リーダーとして真摯であるとは、自分の地位や職権にふさわしい当事者意識を持ち、人間として正しい意思決定を行うということです。

会社組織のなかで高い「職権」のポストにありながら、仕事に対して真摯に向き合い、一緒に働く人たちや関係する各社に謙虚に接し、指導力や影響力で実績をあげ続ける人は「偉い人」という評価を受けるでしょう。

徳の高い振る舞いをする人は誰からも尊敬の念を集めるでしょうし、そのような人が多く育つ社風の会社は、時代の変化にも強く、発展していくことでしょう。

羽澤 幸成

学生時代の県人会幹事長として、のちに大活躍される国会、県会、市会の議員の方や役所の方、趣味の音楽活動を通じて芸能の世界で生きている方など多くの人たちに接し、社会人になってから海外進出など多くのプロジェクトを軌道に乗せ、その分野の専門の方たちとも知り合い、いくつかの新しいことにもチャレンジして、早期退職後の企業信用調査の仕事では、それまでの大きな会社の人たちとは違う中小企業や個人事業の方たちとお会いし、いまは地域コミュニティ活動を通じて地域の方たちと交流活動をしています。
それらのキャリアを通じて、たくさんの経験をし、外国の方も含め多くの人たちに出会い、楽しいことばかりでなく、いやな思いもたびたびして、いろいろなことを学びました。
それぞれの世界で、多くの人たちが作る人間模様のなかで、うまくいっている人やそうでない人もいて、能力以外に考え方が違うのだ、と感じました。
人それぞれ考え方が違うので、当然に生き方も異なり、一緒に仕事や生活をしながら、なぜ、そうするのかを考えることの繰り返しで対応しながらも、自分の信念は曲げずに生きてきたので、心を痛めて悩んでいる人に、こうは考えられないかな、と頭を使って苦境を打開するキッカケになってくれればと思っています。

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