第50話 ラポール  

考え方が変われば生き方も変わります
悩むことで心を傷つけるより、頭を使って考え、違う生き方を試してみませんか

「ラポール」は「信頼関係」

人と人との良好な関係を表す言葉に「ラポ-ル」があります。

「ラポール」とは、心理学の用語で、おもにカウンセリングなどでカウンセラーと依頼者の相互の信頼関係のことで、フランス語で「橋を架ける」という意味から、心が通じ合い、互いに信頼しあい、相手を受け入れていて、「調和した関係」「心が通い合う関係」という意味を持っています。

「ラポール」という相互理解の形成は、出会った一瞬でできるものではなく、自然な対話の中で育まれていくものです。

「ラポール」の形成

カウンセリングに限らず、親子関係でも「ラポール」の形成がなければ、親の言うことは子どもに届かず、友人との間柄でも「ラポール」の形成がなければ、お互いの心が通じ合った信頼関係は生まれません。

また、ビジネスにおいても同じで、上司と部下の関係、顧客との関係、あるいは取引先との関係でも、「ラポール」の形成はとても重要です。

このように人間関係で重要な「ラポール」を形成する上で気をつけなければならないのは、最初のコミュニケーションで、「でも」や「けれども」など相手の言葉を否定するような言い回しは避けるようにする、ということです。

自分を否定するような相手との「ラポール」の形成は難しいものです。

ほかに、「ラポール」を形成するためのポイントとしては、相手をよく観察し、相手との共通点を見つけ、相手の考え方や性格などを否定せずに受け入れることが挙げられます。

相手の持っている世界を尊重することは、コミュニケーションの根本条件であり、相手の持っている世界を理解したい、という気持ちが相互理解には不可欠です。

人は、ネガティブな感情が生まれると、信頼をすることができません。

また、しっかり「ラポール」が形成される前に、ビジネスの本題に入るなど拙速な行動も避けたほうがいいでしょう。

「ミラーリング」

しかし、ビジネスの現場では、時間をかけてゆっくりと「ラポール」が形成されるのを待っているわけにはいかないので、比較的短期間で「ラポール」を形成する方法として代表的なものが「ミラーリング」という手法です。

「ミラーリング」とは、鏡に映したかのように相手の動作を真似る方法です。

似たもの同士、仲が良いとか、夫婦が長く一緒にいると性格や顔まで似てくるなどといわれますが、これもある意味ミラーリング効果といえます。

人は、自分に共通したものがある人に対しては警戒心を解くので、好意を抱きやすくなり、また一方で人は、好意を持つ相手に似せようと無意識に趣味や仕草が似通ってくるとも考えられています。

「ミラーリング」の具体的な手法は、たとえば相手が足を組んだら自分も足を組む、相手が飲み物に口を付けたら自分もそれにならって口を付ける、など鏡に映したように相手の行為を真似ることで、相手にとって自分は心を開いていい人、好意を持っている人と無意識のうちに理解させるのです。

ミラーリング手法を活用する場合、いかにも真似していると相手に察知されるような不自然さはマイナスになります。

やり過ぎず、さりげなく真似る動作を挟み込む程度にしないと、かえって相手に警戒されてしまい、逆効果となってしまいます。

「ミラーリング」によって、相手との距離は縮まり、「ラポール」が形成される助けとなるでしょう。

「関係構築」を望むなら

望む人と、信頼関係を築き、心を通い合わせる関係を作り、続けていくためには、誠意を尽くして接し、相手のことをよく知り、すべてを受け入れて許し、その上でお互いが譲り合い、調和をとることを心がけることが必要でしょう。

一方的だったリ、自分の都合を押しつけてはいけません

人は一人では生きていくことが難しいです。誰か心の支えになる人がそばにいて、いつもではなくて、なにかあった時に寄り添ってくれて、気持ちを理解してくれるだけでも心は落ち着き、安定して次に進むことができます。

そんな関係は、求めるだけでは生まれるものではありません。自分がして欲しいことを相手にもすることによってはじめて、相互理解、信頼関係が生まれる環境が整い、関係構築はそのあとになります。

羽澤 幸成

学生時代の県人会幹事長として、のちに大活躍される国会、県会、市会の議員の方や役所の方、趣味の音楽活動を通じて芸能の世界で生きている方など多くの人たちに接し、社会人になってから海外進出など多くのプロジェクトを軌道に乗せ、その分野の専門の方たちとも知り合い、いくつかの新しいことにもチャレンジして、早期退職後の企業信用調査の仕事では、それまでの大きな会社の人たちとは違う中小企業や個人事業の方たちとお会いし、いまは地域コミュニティ活動を通じて地域の方たちと交流活動をしています。
それらのキャリアを通じて、たくさんの経験をし、外国の方も含め多くの人たちに出会い、楽しいことばかりでなく、いやな思いもたびたびして、いろいろなことを学びました。
それぞれの世界で、多くの人たちが作る人間模様のなかで、うまくいっている人やそうでない人もいて、能力以外に考え方が違うのだ、と感じました。
人それぞれ考え方が違うので、当然に生き方も異なり、一緒に仕事や生活をしながら、なぜ、そうするのかを考えることの繰り返しで対応しながらも、自分の信念は曲げずに生きてきたので、心を痛めて悩んでいる人に、こうは考えられないかな、と頭を使って苦境を打開するキッカケになってくれればと思っています。

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人間模様

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